男性も気をつけて!尿漏れ問題が増加中

 「気づいたら、ちょっとした「尿漏れ」が起きていた――。この問題は一般的に女性や高齢者に関連付けられがちですが、実は働き盛りの男性も尿トラブルに悩むことが少なくないのです。そして、この隠れた課題にメーカーが積極的に取り組み、新しい商品を市場に投入しているんです。


例えば、衛生用品大手の「ユニ・チャーム」が今年6月に行った調査によると、社会人男性(20~60代)の中には「尿漏れ」の経験がある人が多いことが明らかになりました。調査に回答した人たちの中から、「下着に尿がじわっとしみた感覚があった」「尿が数滴程度漏れた」「ズボンにシミができた」といった経験があると回答した人がかなりの割合を占め、20~30代の男性でも4割近くが経験していたのです。


一つのエピソードとして、ある30代の男性会社員が「飲み会中に漏れてしまい、トイレに行った際に洗面台の水をズボンにパパッとかけてごまかした」と告白しています。尿漏れは、自分の意志とは無関係に尿が漏れてしまう問題で、通常は尿道が男性よりも短い女性や、高齢者の間でよく見られます。しかし、働き盛りの40代男性でも、排尿後に尿が尿道に残り、その後じわじわと漏れるケースがあるのです。


こうした尿トラブルに悩む男性は多いと思われますが、まだ認識度が低いことから、メーカー各社は潜在的な需要が高いと考え、新商品を積極的に発売しています。たとえば、ユニ・チャームは今年4月に「ライフリー さわやか男性用快適シート」を発売しました。この商品は、吸水量が3㏄から対応し、厚みが2ミリと非常に薄いため、パンツに取り付けてもほとんど目立ちません。ユニ・チャームは以前から男性向けの尿漏れパッドを販売していましたが、さらに気軽に使用できる商品を求める声に応えて新製品を開発しました。


また、名古屋市に拠点を置くアパレルメーカー「クロスプラス」も、2022年9月に尿トラブルに対応したボクサーパンツ「キープガード」を市場に投入し、好評を博しました。さらに、2023年9月末には「グンゼ」も同様のボクサーパンツ「イケオジパンツ」を発売予定で、シミや臭いを防ぐ仕組みが組み込まれているそうです。


市場調査会社「インテージ」によれば、尿トラブルなど軽度の尿漏れ対策用商品の市場規模は2022年には604億円に達し、5年前(2017年)と比較して40%増加しています。今後も市場は拡大すると予測されています。


尿漏れに対する対策として、日常生活での注意も効果的です。排尿トラブルに関する支援を行うNPO法人「日本コンチネンス協会」の事務局長で看護師の梶原敦子さんは、「男性は加齢により尿道に尿が残りやすくなるため、トイレで『出し終えた』と思っても、振ったり裏側をゆっくりとしごいたりして完全に出し切ることが必要です」とアドバイスしています。そして、生活に支障が出る場合は、泌尿器科を受診することをお勧めしています。」



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