静岡県内のガソリン価格が15年ぶりの高値に到達：背後に潜む要因と影響

 ガソリン価格の上昇が続いています。静岡県内では、レギュラーガソリンの小売価格が21日時点で1リットルあたり183.2円に達し、15年ぶりの最高値を記録しました。この高騰の背後には、原油価格の上昇と円安の影響が重なっており、専門家たちは「早期の価格下落は見込めない」と述べています。


このガソリン価格の上昇は、車を日常的に使用する静岡県の住民にとって大きな打撃となっています。運送業などでも影響が広がり、経済に影を落としています。資源エネルギー庁によると、静岡県内のレギュラーガソリン価格は5月15日の166.0円から14週連続で上昇し、8月7日には180円を突破。その後も180円を超える価格が3週連続で続いています。これは2008年8月4日の過去最高値である187.2円に近づいています。


静岡市駿河区にある「静岡シェル石油販売宮本町給油所」では、ガソリン価格が1リットルあたり192円に達しています。客離れを防ぐために、ガソリンの割引クーポンを提供したり、洗車を値引きするイベントを開催するなどの対策が行われています。


このガソリン価格の高騰の背景には、産油国の減産による原油価格の上昇と、円安の影響による輸入価格の引き上げがあります。ガソリンだけでなく、軽油などの価格も上昇しており、物流業界を含むさまざまな業種に影響を及ぼしています。静岡を拠点とする「静岡通運」などの企業も、トラックに使用する軽油の値上がりに苦しんでいます。このような中、エンジン停止の呼びかけなどコスト削減策が模索されていますが、状況は厳しいようです。


また、農家にとっても農機具や設備に必要な燃料の価格上昇が懸念されています。県温室農業協同組合の担当者は、メロン栽培のために必要な重油の使用について「冬場まで価格が高止まりすると大きな影響が出る可能性がある」と述べています。


政府は、石油元売り会社への補助金支給の期限が迫る中、対策の検討を進めています。ただ、これには補助金が税金で賄われるため、長期的な悪影響を回避するためには円安是正や景気浮揚策が必要だとの指摘もあります。新型コロナウイルスの影響で外出の機運が高まる中、地域経済の回復を阻む可能性があるため、状況は慎重に見守る必要があります。







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