夏の熱中症リスクに注意：非労作性熱中症対策と水分摂取の重要性
今年の夏、各地で体温を超える最高気温が記録され、熱中症の患者数が増加しました。これからしばらく、厳しい暑さが続く見込みです。これまでの酷暑により、私たちの体力は減少し、疲労が積み重なっています。そのため、室内でエアコンを使用していても、熱中症になるリスクが指摘されています。特に高齢者や幼児は、症状が改善しても、重大な後遺症として臓器の機能不全や認知機能障害を引き起こす可能性があることを忘れてはいけません。
熱中症については、「労作性熱中症」という言葉がよく知られています。これは、日中の激しい運動や労働によって急激な脱水が起こり、意識障害や臓器障害が生じる状態を指します。この労作性熱中症には、ある程度の対策や警戒がされてきました。済生会横浜市東部病院の谷口英喜医師は、熱中症対策の専門家として、「ただし、我々が今懸念すべきは、日常生活の中で発症する『非労作性熱中症』です。」と語ります。
「非労作性熱中症」とは、屋内での作業や通常の家事、夜寝ている間など、日常的な状況でも発症する熱中症のことを指します。谷口医師によれば、「これまでの暑さによる疲労や不眠、そして慢性的な脱水が重なり合って、『暑さの負債』が危険なレベルに達することで、高齢者や幼児、健康そうに見える成人も熱中症になるリスクが高まります。」谷口医師はさらに、「今年の異常な暑さでは、過去の経験が役立たないかもしれません。少しでも異変を感じたら、家族に相談するか、緊急時には救急車を呼ぶことが大切です。」と警告します。
非労作性熱中症への対策も基本的な部分は変わりません。喉の渇きを感じなくても、一定の間隔で、できれば1〜2時間おきに、約150mlの水を摂ることが推奨されます。朝起きたときには、さらに200ml程度の水を飲むことをおすすめします。体調が優れないと感じた場合には、ゆっくりとスポーツドリンクなどを摂取し、約500mlの水分補給を心がけましょう。ただし、カフェインを多く含む飲料は、尿を促す効果があるため避けた方が良いです。また、アルコール飲料は体内で分解される際に水分が必要とされるため、水分補給には向いていません。
この夏、非労作性熱中症にも注意を払いながら、適切な水分摂取や体調管理を心掛け、安全で健康的な夏を過ごしましょう。
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