世界の肥満危機:10億人を超える肥満の現実

 最近の調査によると、世界中で肥満が増加しているという報告がありました。医学誌ランセットに発表されたこの調査によれば、現在、肥満とされる大人や子どもの数が10億人を超えたそうです。


この調査を率いた英国のインペリアル・カレッジ・ロンドンのマジド・エツァティ教授によれば、予想を上回る速さでこの数が増えたのは、低所得から中所得国で栄養不良から肥満への移行が急速に進んだことが一因だそうです。


世界肥満連合の以前の予測では、肥満の人口は2030年までに10億人に達するとされていましたが、エツァティ教授によれば、既に2022年にこの数字を超えていたとのことです。


この研究では、世界保健機関(WHO)など約1500人の研究者が、約190カ国で約2億2000万人の身長と体重を調査しました。成人の場合、体格指数(BMI)が30以上の人が肥満に分類され、18.5以下の人が低体重に分類されます。


2022年の推計では、世界中で約8億8000万人の成人と約1億5900万人の子どもが肥満とされました。20190年から2022年までの間に、子どもの肥満は4倍に増加し、成人の肥満は倍以上に増加したそうです。


しかし、一方で、低体重の人は減少しています。世界の国々のうち、肥満人口が低体重人口を上回ったのは約3分の2の国でした。


特にポリネシア、ミクロネシア、カリブ海、中東、北アフリカなどの低所得から中所得国では、この傾向が顕著であり、これらの国の肥満率は裕福な工業国よりも高いことがわかりました。


2022年に肥満率が高かった国々の中で、裕福な工業国は米国のみでした。これは2017年とは逆の結果であり、その他の国々ではカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、英国が上位にランクインしていました。








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