思春期の自律神経の乱れについて!

 思春期に起きる自律神経の乱れについてご紹介します。この状態は、体内に炎症や異常があるわけではありません。思春期は成長とともに体が変化し、子供から大人への移行期間です。この過程で、自律神経やホルモンのパターンも変わるため、そのバランスが崩れることで症状が現れるのです。この状態は主に小学校高学年から中学生に見られ、中学生の中には約10人に1人が起立性調節障害を抱えていると言われています。


なぜ朝起きられないのか?


自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、交感神経は活動的な状態を促し、副交感神経はリラックスをサポートします。起立すると、血液は下半身に流れて上半身の血液量が減少し、通常は交感神経が働いて血圧を正常に戻す役割を果たします。しかし、起立性調節障害ではこの調節がうまくいかず、朝の血圧が遅れて正常に戻らないため、めまいや起き上がれない状態などが生じるのです。


学校への影響は大きい


この状態が重い場合や長引くと、学校への通学が難しくなることがあります。実際、不登校の子供のうちおよそ3~4割は起立性調節障害が関与しているとされています。患者は朝はつらい状態でも、昼から夜にかけて元気になることが多いため、夜に「明日は行くよ」と意気込むものの、翌朝になると再び困難を感じることが多いです。このため、この病気を知らない人々からは単に学校が嫌いなだけと誤解されることがあり、患者の苦しみが理解されにくくなることがあります。




悪循環を断ち切るために


さらに、学校に行けないことが原因で生活のリズムが乱れ、学業や社会への参加が難しくなる悪循環も起こりえます。また、別の原因で不登校になり、身体を動かさない生活を送ることで、自律神経の乱れが悪化し、起立性調節障害につながることもあるようです。このため、早めの適切な対応が重要です。






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