若者が変える日本の農業の未来、SNSで農業の魅力を発信し成功する新たな挑戦者たち!
日本の農業は長年、「高齢化」と「担い手不足」という問題に直面しています。なんと農業従事者の平均年齢は68.7歳とされています。しかし、そんな中でも最近少しずつ“明るい兆し”が見え始めているんです。
農業の求人情報サイト「農業ジョブ」によれば、ここ数年、新卒向けの就職説明会に参加する学生の中で、農学部以外の学生が増えているのだとか。農業が、これまでよりも広い層に就職の選択肢として注目されているのがわかります。
さらに、SNSを活用して農業の魅力を発信する若者が増えているのも大きな変化です。例えば、「農家の孫まっち」としてSNSで活動している若者がいます。彼女は広告代理店を辞め、わずか24歳で農業の道へと進みました。
「親が定年後に実家の農業を継ぐことが決まっていたんです。親孝行したい気持ちもありましたが、ただ農協に野菜を出荷するだけでは利益が少ないと思い、自分で高く売ることができるのではないかと考えたんです」と彼女は語ります。
淡路島で玉ねぎを育て始めた彼女は、異業種から農業に飛び込んで気づいたことがあるそうです。それは「農業に関する情報が驚くほど少ない」という現実でした。
「農業に興味があっても、情報が少ないから参入しにくい。さらに、農業は“儲からない”“大変”というイメージが強すぎるんですよね。でも、やり方や売り方次第でとても魅力的な仕事になるんです。自然に触れて、土に手をかけることで心が穏やかになるし、多くを学べます。だからこそ、SNSを通じて農業の楽しさを発信することで、このイメージを変えたいと思っています。」
こうしてSNSを駆使して販路を広げる彼女は、独自の販売ルートを構築し、関西を中心に毎週野菜を配達したり、約60店舗の飲食店に直接出荷したりと、若い世代ならではの発想と行動力で農業の可能性を広げています。さらに、地元の農家から作物を仕入れ、自身のブランドで販売することで「一生懸命作った野菜がしっかり評価される」仕組みを作り上げました。
「ただ作って出荷するだけが農業ではないんです。見せ方や売り方次第で、収入は大きく変わるんですよ。農家の役割はこれから、単なる生産から“発信と販売”にシフトしていくべきだと思います。」
しかし、日本の農業全体を見ると、依然として課題は多いです。特に、米農家の経営は厳しくなっており、コロナ禍やウクライナ情勢によるコストの増加が追い打ちをかけています。「令和4年農業経営体の経営収支」によれば、水田作の年間所得はわずか1万円、時給に換算すると9.9円という厳しい状況です。
こうした現状について、ある専門家は「減反政策が続く中で、需要と供給のバランスを柔軟に調整できなかったのが原因です。日本の狭い国土では効率性を高めない限り、国際競争に勝つのは難しく、新たな農業従事者も増えにくいでしょう」と指摘しています。
とはいえ、SNSを活用して自ら販路を広げるなど、若い世代の力で農業を変えていく動きも始まっています。彼女のような農業に新しい風を吹き込む若者たちが増えることで、日本の農業に未来の光が差し込み始めているのかもしれません。
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