犯罪被害者支援制度見直しで給付金大幅引き上げの動き!
警察庁は7日、犯罪被害給付制度に関する重要な話し合いを行いました。この制度では、事件の被害者や遺族に支払われる給付金について大幅な引き上げが議論されました。現行制度は、事件前の被害者の収入などを基にして給付金を計算していますが、子どもや仕事に就いていない大人の場合、支給額が低くなる傾向があります。これを改善するため、有識者検討会が設けられ、具体的な提案を2024年5月までにまとめる予定です。
この有識者検討会は、月に1回程度のペースで会議を開き、加害者を相手にした民事訴訟の際に使われる損害賠償額の計算方法などを参考にします。構成メンバーは大学教授、弁護士、犯罪被害者遺族など多岐にわたります。
初回の会合では、警察庁の江口有隣長官官房審議官が「犯罪被害者やその家族・遺族が適切な支援を受けられていないとの声が寄せられている」と述べました。
現行制度では、亡くなった被害者が事件前の3カ月間に得た収入を基にして遺族への給付金を計算します。しかし、被害者が子どもなどの場合、支給額が低くなる傾向があります。給付額の範囲は原則として320万円から2964万円までとなっており、22年度の平均支給額は743万円で、交通死亡事故による自動車損害賠償責任保険の平均約2500万円を下回りました。
このような状況から、大阪・北新地で発生した放火殺人事件の被害者遺族たちは、自賠責保険と同等の給付など制度の見直しを求めました。この事件の犠牲者の多くは、心身の不調から仕事を辞めざるを得なくなり、遺族は十分な給付金を受け取れない恐れがあります。
政府は、23年6月の犯罪被害者等施策推進会議で、被害者が死傷しない場合でも、将来得られるはずの収入(逸失利益)を考慮する民事訴訟の損害賠償額などを参考にして、給付水準を大幅に引き上げる方向で検討を進めることを決定しました。政府は1年以内に具体的な結論を出す予定です。
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